こんにちは。ニシノです。今日は私の学生時代の話をさせてください。
学生の頃、なんとなくダルイ日でも、先生や同級生たちの顔を見たくない日でも、失恋した翌日でも、熱を出した以外では休むことなく学校へ通っておりました。恥ずかしながら勉強はたいして出来ませんでしたし嫌いな教科は大体赤点でしたが、とにかく”学校へ行く”ことだけには真面目だったと思います。
そんな私が専門学生だった頃、学校へ行くのをサボタージュした日が一日だけありまして・・・今思うと、痛くもないのに「腹痛で・・・」としょうもない嘘まで吐いてサボることがあったのかと感じますが・・・サボった訳を説明しますと・・・
・原因は、夜更かしして読んでいたある漫画
きっと読んだことがある方もいらっしゃいますよね。
当時好きで読んでいた漫画。『風と木の詩』
竹宮惠子先生の少女漫画で、1976年~1984年に『週刊少女コミック』(通称:小コミ)、『プチフラワー』で連載されておりました。すーーーごくざっくり説明すると、19世紀後半のヨーロッパを舞台にした”少年愛”がテーマの漫画。好きな小説にこの漫画が出てきたのがキッカケで読みました。
当時タブーとされていたテーマ、そして今から40年前の作品ですので一昔どころかふた昔前、まだ西野も生まれておりませんので、どのように読まれていてどのくらい人気だったのかはわかりませんが、ウィキペディアによりますと・・・
寺山修司「これからのコミックは、風と木の詩以降という言い方で語られることとなるだろう」
河合隼雄「少女の内界を見事に描いている」
上野千鶴子「少年愛漫画の金字塔」
このように語られ評価されているようです。
この漫画の主役であるふたりの少年、ジルベールとセルジュの愛の物語。
サボタージュの前夜、読み始めたら最後、寝るのも忘れ1~17巻をものすごい勢いで読破。
はっきりと言いますが、決してハッピーエンドではありません。詳しく物語の内容を語ると朝になってしまいそうなので割愛しますが、読み進めていても、ふたりの愛が実ることはないのだと感じて、後半からは泣きながら読みました。
天使のように美しいジルベール。はっきりと言いますが、ジルベールは馬車に轢かれてあっけなく死んでしまいます。
凛とした姿、優しさにあふれるセルジュ。はっきりと言いますが、寄宿学校をふたりで抜け出し、生活力の無いジルベールとふたりきりで生きていくことを選び必死に頑張っていたにもかかわらず、ジルベールが死んで悲しんだあと、「ジルベールのことは一生忘れない・・・これから頑張って生きていくよ・・・!(キラッ)」みたいなね・・・あんなに愛し合ってたじゃん・・・やけに前向き・・・というラストだったり。
しかし、悲しみや切なさ、儚さなどその他に感じたこと全てひっくるめると、最終的にふたりの愛に尊さを感じます。
そう、この『風と木の詩』は最上級に尊い物語。この尊さに触れると、もう、何も、出来ない。西野美月の全てはこの尊さによりシャットダウン。ベッドでごろごろしながら読んでおりましたが、滝のような涙を流しながら魂がまるっと抜けたようにその場から動けなくなりました。
・人は”尊さ”に触れると何も出来なくなる
読み終わったのは夜明け前。尊さを全身で感じ、涙を流す以外動けなくなった私はそのまま眠りに落ちることなく朝を迎え、9時過ぎにハッと気付き、「腹痛で・・・」と仮病を使い学校を休みました。サボったこと、なかったのに。とりあえず真面目に”学校に行く”ことだけはしてきたこの私を・・・。一晩で味わった尊さが・・・。”尊い”って、スゴイ・・・。
・あの時の”尊さ”の再来・・・?
そう、あの日学校を休ませた尊さに、私はまた出会ってしまったのかもしれない・・・。
この繊細さ・・・まさに尊さに溢れています・・・。
しかし、今回は何も出来なくなる西野ではございません。
3月4日(土)のお披露目に向け、只今スタッフみんなでせっせと準備をしております。
もうあの頃の、学校を休んだ私じゃないぜ・・・!
ということで、しのさんにDiaryをバトンターッチ!!!
お楽しみに\(^o^)/
ニシノ